想像力こそが力

今日は広島に原子力爆弾が落とされた日。あれから６６年経った今でも、広島で被爆した方々の苦しみが続いている。

３月１１日に東日本大震災が起きて、福島第一原子力発電所の原子炉が破損して、５カ月たった今でも、事態は少しも好転していない。
汚染がれきの問題、汚染された稲藁が流通してしまった為に発生した汚染牛の問題、ホットスポットの問題・・・・。広島、長崎の教訓を、生かし切れていない。

視覚・嗅覚・味覚・触覚・聴覚、人間の持っているセンサーでは、放射能を感知することができない。見えないから、感じられないから、判断できずに余計に疑心暗鬼になってしまう、まさに悪循環。

地球がひとつの閉じられた世界である事を考えれば、福島の問題は、単に日本の問題に留まらず、世界の問題。漏れ出した放射能はやがて回り回って世界中に拡散する。

６６年前の広島・長崎で空気中に放出された放射能、冷戦時代にソビエトやアメリカが相次いで行った大気圏内核実験、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島・・・・、空気も水も国境など関係なく循環し続ける。

人間の一生はわずか数十年。自分自身が今ここに生まれてくるまで、命の歴史がずっとつながっている。自分が死んだ後にも、この世界に人間が生き続ける事を想像したとき、どんな世界を残したいだろう。自分が未来の人間だったら、どんな世界に生まれたいだろう。

一人の力はあまりに弱く、何も変えられないと諦める事は簡単だと思う。でも、考えてみよう。世界が何も変わらなかった時代があったろうか？世界は必ず変わっていくものだ。何がそうさせているのか？生きている人達が少しずつ変わっていったからではないか？

自分に力がないとあきらめるより、まずは自分が変わって行く事が大切なのではないかと思う。変わるための原動力に何が必要だろう。私はそれは「想像力」だと思う。今までにない世界を思い描く力。空を飛ぶ事を想像して、人間は実際に空を飛べるようになったではないか！
まずは、それぞれが変わっていく世界を想像してみよう。そして、自分をその為に変えていく。誰かを変えることは難しいけれど、自分が変わる事はそれよりもずっと簡単。小さな事でもいいから、自分を変えていく。それが世界を変えていく力だと信じて。