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管理人の徒然
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今年はいまだ冬の寒さが居座っている。例年ならすでに散っているだろう梅の花が盛りだ。大気の冷たさとは裏腹に、太陽は暦通り日々高度を増している。関東のド田舎育ちゆえか、季節による空気や陽光の変化には敏感なほうかもしれない。今の時期、どうしても精神的なバランスを崩しやすくなる。多分「春」という季節のせいだろう。

人には生まれ持った「資質」というものがあると思う。親世代が兄弟姉妹が多かったせいで、いとこが山のようにいる。両親の兄弟を見ても、いとこ達を見ても、同じ親から生まれた兄弟姉妹と言えども実に性格は様々だ。しかし、たくさんのサンプルを並べて見ると、明らかに似通った資質のようなものを持ち合わせている。いわゆる、○○家の血と言われるような・・・・。
良いとか悪いとかではなく、人間とは血に刻まれた何らかしらの情報から逃れられないのかとも思う。赤ん坊は無垢な存在で、教育次第でいかようにもなると思いたいが、実際のところ、「持って生まれたもの」+「与えられた環境」が複雑に関係して一人の人間を作っているのだろう。自分自身も、自分が産み育てた子供も。

我が息子は、父親であるかぴぱら氏に良く似ているのだが、それと同じぐらい私の父に似ている。つまりは私にも似ていると言う事なのだろうが、私は当然のことながら、母にも似ているから、息子が持ち合わせていない部分も多く持っている。息子は男だから、女の私とは違うというのもあるだろう。

私自身も非常に精神的な成熟が遅かったという自覚がある。何時までも子供っぽさが抜けない。たくさんの失敗と苦い経験を積んできたので、社会人としてなんとかやっていける程度の成熟を今は遂げているとは思う。

この精神的な成熟の遅さは、恐らく私の父から私、そして息子へと引き継がれてしまった因子なのだろう。かぴぱら氏も似たような資質を持っているから、息子はいっそう色濃くその資質を持ってしまった。そのせいか息子を見ていると、誠に居心地が悪い思いをする事になる。多分、父もそうだったのかもしれないと思う。似ているから可愛いこともあるが、似ているから疎ましいということもある。

母はそのことをよく理解していたのだろう。実に根気よくケアしてくれていた。(母親は父親を熱愛していたので、よく似た私の資質も受け入れてくれたのだろう)

歴史は繰り返すと言うけれど、家族の歴史も同じなのだろうか。

私は母親に溺愛されたと思っているが、逆に考えれば、そのくらい手間暇をかけなければ、まともな大人になりきれないと思われていたのかもしれない。だとすれば、息子は自分自身の鏡に違いない。保育園の先生が呆れるぐらい息子はママ大好きっ子だった。幼い頃、息子は私が絶対的な味方であると確信していた。今ではあからさまにそうとは言わないが、心の底では、多分変わっていないだろう。私と母の関係とそっくり同じ。客観的に考えるとかなり気持ち悪い・・・。でもそうなのだから認めるしかない。現実は現実として受け入れるしかない。

夢中になると他の事が見えなくなる、自分自身の感情のコントロールが下手で、時には回りを困惑させてしまう。自分でそれが何故なのかわからなくて、答えを得ようともがいて、更にドツボに落ち込み、鬱々とする。

易々と自分の感情のコントロールを学んでいく子供もいれば、ケアを重ねてやっと学んでいく子供もいる。娘は小学校高学年で精神的には自立していた。思春期の嵐のような時代に、彼女は早々に自我を確立した。恐らくそれは、私の母の資質だろう。私を通り越して、娘に出たわけか。良かった。娘はかなりまともな子である。頑固ではあるが、感情面では極めて大人である。子供が二人とも息子みたいだったら、私はとっくのむかしに切れていただろう。

記憶力の良さと強い好奇心と集中力いうプラス面といっしょに、感情のコントロールの成熟の遅さ、これらは父方の一族の特徴だ。感情のコントロールに成功した者は、結構成功しているけれど、失敗した場合はやはりいろいろ問題が起きている。本人だけではどうにもならない引き継がれてしまう資質。誠に遺伝子というのはおそろしい。

息子はいまだ感情面では、中学生レベルかもしれない。何しろ実体験をしないと理解できない感情が多すぎるのだ。息子にとっては非常に難しい数式や化学式より、他人や自分の感情の方がよっぽど理解が難しいと見える。体は立派な青年で、体力・知力も人並みにはある。素直すぎるくらい素直だし、犬ころのように純粋だ。よく言えば。でも、彼は、犬ではないから、それでは困る。年齢相応に穢れてくれないと。

彼が私の息子でなければ、こんな複雑な気持ちを持たなくて済むだろうなあと思う。家庭の外で見る息子は結構な好青年だ。だが、新たに自分の家族を持とうとするとき、感情が未成熟なままでは困ることは目に見えている。

子供の頃のようにただ可愛いだけだったら、どんなにいいだろう。でも、いずれ私は彼を置いてあの世に行かなきゃならないのだし、それまでに、彼が感情を成熟させ、コントロールできるようにしてやらなくてはならない。彼が伴侶も持ち、新たな家庭を築く為には絶対に必要な事。

はたして間にあうだろうか・・・。結構な焦りを感じるこの頃だ。そうでなくても、今は全く違う環境で生まれ育った男女が出合って、濃密な関係を結び、パートナーとなっていくのが難しい時代。息子の資質を理解して受け入れてくれる稀有な女性と出合えるのか・・・。

肉体的自立・精神的自立・経済的自立

子供を大人にするって本当に大変だ。

春は私にとって魔の季節なのだが、どうも息子にとってもそうらしい。
季節のせいなのか、年度が変わる前のいろいろな生活の変化に、気づかないうちに疲れが溜まるせいなのか・・・・。

この季節、息子の感情整理に付き合う頻度が高くなる。うんざりしながら、かつて自分が母親に甘えてきた事を思い出す。順番なのだから仕方ないのだろう。でも、とても面倒くさい。

季節は巡り、歴史は繰り返される。息子もいつか、自分の子供のケアができるくらい成熟出来る日がくるのだろうか?それとも、弱いところを抱え込んでくれる善き伴侶を見つけることができるのか・・・・。運命の出会いを待つより、息子を鍛える方がよほど確率は高いのだろうけれど。

母が亡くなってもう15年以上にもなるのだなあ・・・。振り返れば、良くもまあ、私のように育てにくい子供を育ててくれたものだと思う。
子をもって知る親の恩。母への恩返しは、息子がまっとうな大人になるまで見守ることなんだろうか・・・・。息子にも娘にもぜひ子供を持ってもらいたいと思う。私の苦労を思い知るがいい!!という理由で。

めんどくさい兄と母親の姿を見ているにも関わらず、娘は子供を産む気満々だ。娘には常々「子供は絶対親の資質を引き継ぐぞ。相手を選ぶときには重々気をつけろ。」と言っている。今本気で心配しているのは、私やかぴぱら氏にそっくりな孫が生まれてくることだ。育てにくいに決まっている。そんな孫が生まれたら、絶対手助けしてやらないとなあ・・・・。子育てはいつの時代だって大変だから。

人生はめぐる季節に例えられるけれど、もう私は晩秋か。次の春芽吹く葉の為に準備をしないといけないと思うこのごろ。これは芽吹く春だからこその憂いなんだろうか。


家庭内では息子のケア、仕事場では部内の仕事と人間関係の調整役と口から黄緑色のスライムをでろでろ~って吐きたくなるような日々が続いている。(昔ホラー映画悪魔に取りつかれた人が口から黄緑のスライム状の物を吐くシーンがあったが、あれはグリンピースで色づけされていたそうな。コンソメ味付きだったら、ちょっと美味しそうかも。)

来週は、年度末の考課面接をしなけりゃいけない。他人の仕事ぶりを評価するのは気が重い。厳しい総量規制がかかっている中で、どのようにパイを分配するのか。分配される側から、分配する側に立場が変わる。自分にとって大きな変化だ。私も当然ながら上司との面接があるのだがそっちの方がよほど気が楽。どうとでも評価してくれって思う。それより現場は常に問題山積み。現場の困難に目を向ける上司はあまりいない。困難は、自覚して初めてそれが存在するようになるのか!自分にとって関係のない困難は無いも同じなんだろうなあ。ありとあらゆる場所で、いまだ覆い隠されたままの困難が放置されている。誰かが覆いをめくらなければ、解決へ動き出せない。だが、大抵の場合、覆いをめくった人間は非難を受けるだろう。白日の元に晒しさえしなければ、無いものとできていたのにと。しかし、隠された困難を放置することが、どのような未来を引き起こすのか?勇気をもって覆いを外し、そこにある困難から目をそらさず、解決するために歯を食いしばって頑張りたい。

そう思うのは、私は、今まで沢山の人の力を借りて生きてきたから。家族にも、友達にも、同僚にも、助けられて生きてきた。これからの人生で、どこまで私はこれまでの借りを返すことができるだろう。直接この借りを返すことは出来ないってわかっている。だから、未来に向かって返していくしかないと思う。今ここにある困難を、今生きている人間が解決しなければ、未来は変わらない。小さな、ほんの小さなことでも、今、解決していく勇気を持たなくちゃいけない。ああ、しんどい、面倒くさい、やりたくない。正直な気持ち。でも、同じくらい、頑張りたいとも思う。人間の気持ちは、何時だってプラスとマイナスとせめぎ合っているのじゃないだろうか。
ほんの少しだけ、頑張ってプラスにしていく。それが、心意気ってものか?

まずは、今晩の夕食を作ろう。料理は嫌いだが、食べて、飲んで命を繋ごう。まずはそこからだ!!
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