忍者ブログ
管理人の徒然
[260]  [259]  [258]  [257]  [256]  [255]  [254]  [253]  [252]  [251]  [250
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今日は娘とキーラ・ナイトレイ主演の映画「アンナ・カレーニナ」を見に行きました。トルストイの作品は高校生の時に結構ハマって読んでいました。

「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。」

導入部にあるこの一文はとても有名ですが、「家族」を「人間」に変えると、まさに現代を言い現わすものになるのではないかと思います。多くの人がうらやむような境遇であっても、不幸を感じる人間はいるものだし、他人から見たら、取るに足らない生活をしていても人生に満足し幸せを感じている人間もいるものです。分かりやすい不幸の形ならば共感もしやすいのですが、幸せの単純さに比べ、不幸の在り方のバリエーションはものすごくたくさんあって、共感するのが難しいこともあります。世の中が複雑になればなるほど、そのバリエーションは増える一方なんでしょうか。

1年間にお遊びに当てられる日数は最大でも52日。美術展、映画、舞台、着付け教室等に割り振ると、見たいと思った作品全てを見る時間はありません。映画作品を選ぶ基準は映画評をみて、①衣装がゴージャスで綺麗なこと ②興味のある時代のもの(たとえば18世紀)③興味のある人物や事象を扱ったものを選びます。アンナ・カレーニナは①②の選考基準となります。

19世紀帝政ロシアの社交界を舞台にしていますので、お衣装は豪華絢爛。シャネルから提供されたという宝飾品のまあ美しい事!キーラ・ナイトレイの危うい美しさにほれぼれしました。彼女はただ綺麗なだけじゃなく、ちょっと危うい美女を演じさせたらピカイチな気がします。圧倒的な美しさの中にある人間の闇みたいなものの同居って結構難しいと思うのですよね。不倫相手のヴロンスキー役の俳優さんも美男子でしたねえ・・・・。先日見た「アルバート氏の人生」でも、野心家だけれどヘタレた美男子を好演してましたが、今回もハンサムを自覚した青年の傲慢さとヘタレぶりを余すところなく演じてましたねえ。アンナの夫カレーニン役をジュード・ロウが演じていましたが、これがまたすごく良かったです。社会的には非の打ちどころの無い夫なのに、妻に不倫されて、その挙句に不義の子をおいて妻に自殺されちゃう夫ってすごく可愛そう。でも、夫に恋愛感情をもてないアンナの気持ちもわかる。ジュ―ド・ロウの演技が上手だから、人間の愛と憎しみ、罪と赦しの複雑さが際立ったように思います。

演出もとても凝っていて、場面場面が暗喩に満ちていて、大人が楽しめる映画だと思いました。
アンナとヴロンスキーが舞踏会で踊るシーンは複雑な振り付けのダンスが素晴らしかったです。キティとコンスタンの積み木を使った愛の告白シーンも良かったですねえ。彼らの新居が真っ白な切紙の装飾で飾られていたのが印象的でした。

映画のあとで娘とお茶をしながら感想を言い合いましたが、お互い思っても見なかった部分に注目していて面白かったです。娘とこうして遊べるのも大学時代だけでしょうか。あと2年を楽しみたいと思います。
PR
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
DNA
性別:
非公開
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]