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某嬢からお勧めいただき、おまけに入手までしていただきました。ありがとうございます。
一時スイスに興味がものすごく湧いて、スイス関連の本をいろいろ読んでいました。中でもとても興味深かったのは、スイスが一つの国として成立するまでの紆余曲折。スイス人傭兵のこと。壮絶すぎます。スイスと言えば、「アルプスの少女ハイジ」がすぐに頭に浮かびますが、ハイジのおじいさんは傭兵だったんですよね。その経験がおじいさんを人嫌いの偏屈ものにしてしまったという事は、日本では重視されていないようですけど、傭兵関連の本を読んで、おじいさんがそうなった理由がわかったような気がしました。
スイスが永世中立国として認められたのは1815年のウィーン会議での事です。中立とはいかなる事かと言えば、他国間で戦争が起きても、どっちの肩入れもしない代わりに、自国の防衛は自国でやりますっていう事です。スイスはその歴史から、自国を守るためには、国民全てが、国を守るという自覚を持たないとだめなんだと思い知ったのでしょう。スイスから戦争をしかけなくても、外国が仕掛けてくるかもしれない。実際スイスは何度も外国からの侵略を受けてきました。だからこそ、いつそんな事態が起きても、国を、ひいては、自分たちの生活を守るためにどう備えればいいのか、国民一人一人に徹底しておかなければいけないと切実に考え、こうした具体的かつ詳細な内容を持つハンドブックが作られて活用されているのでしょう。
国土を脅かすものは、外国の軍隊だけではないことを、東日本大震災を経験した今、私たちは切実に感じています。でも、生活を脅かす脅威から、どうやって自分自身や自分を取り巻く人々を守ればいいのか、誰も教えてくれません。この本は実にたくさんのヒントを与えてくれます。計画的な備蓄、起こりうる被害の想定、それに対応できる技術の獲得、そして、何より自らの生活は自らで守るのだという覚悟。
明日も明後日も今日と同じとは限らない。天災は正に忘れたころにやってきました。極限まで無駄と緩みを取り去ったシステムは、一つの条件が失われた時、あっという間に機能停止におちいりました。
同じことを繰り返してはいけません。物心ともに、脅威に備える事を考えなければいけないのではないかと思います。地震・津波・噴火・台風・・・・。海に囲まれて外国からの侵略の脅威はさほどなかったにしても、日本人はずっと自然の脅威と隣り合って生きてきたのですから。