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管理人の徒然
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「だって、知らなかったんだからできなくても仕方ないでしょ。」
よく聞く言い訳であるが、では、知っていたら人は何でもできるのだろうか?

今朝、息子が目玉焼きを食べたいと言い出した。昨晩洗い残してしまった食器を洗っていたので、自分で作るようにと指示を出したら、「目玉焼きの作り方を知らないから、卵焼きをつくる」という。目玉焼きの作り方を知らないはずはない。私には以前教えた記憶がある。しかし、息子の脳みそは、自分に必要ないと判断した事柄はどんどん消去していってしまう構造なのだ。反復させないと、定着しないので、「目玉焼きは簡単なんだから、つくりなさい。」と駄目だし。

フライパンを温め、少量の油をしき、卵を割り入れ蓋をして弱火で適宜熱を通す。
とっても簡単な手順で、こんな手順は小学生だって知っている。

では、実際、息子はどうしたのか。

フライパンを温めるところまでは問題なし・・・・当然である。

少量の油をしく・・・・必要量の倍は入れていた。これは手先のコントロールが大雑把だからだろう。これで実験の試薬の量をちゃんとコントロールできているのか?俄かに心配になる。

卵を割り入れる・・・・・ありえないくらい高い位置で卵を割った為、フライパンの上で卵の黄身は無残にもつぶれてしまった。お前!物理は得意だって言ったじゃないか!なんでそんな高い位置で卵を割るんだ!卵の黄身がつぶれても当然だろう!と叫ぶ。

息子は驚いたように言った。

「高い位置から卵を落とすと、割れるんだって知らなかった!」

位置エネルギーは高くなるほど大きくなるって、学校で習ったはずだ!それなのに、何故わからんのだ~!!

経験によって、知識と実生活は自然に結びつくものだと思ってきたのだが、息子はどうもそういう力が弱いらしい。微分・積分なんかお茶の子さいさいってくらい数字には強いのに、通貨単位がついたとたん計算ができなくなる。生物オタクなのに、真夏に食べ残しを冷蔵庫に入れずカビがはえたと言って驚き、相対性理論を説明するぞと母親に脅しをかけるくせに、高所から卵を落として黄身がつぶれたとびっくりする。

ひとつひとつそういう経験をして、初めて知識と実生活が結びつくという面倒な奴なのである。この傾向はかぴぱら氏にびっくりするほどそっくり。きっと脳の配線がいっしょなのに違いない。

かぴぱら氏は苦労人なので、息子よりはずっと知識と実生活の結びつきはスムーズではあるが、時々とんでもないことを言い出すことがある。育てたのは私で、一緒に育った娘はなんの問題もないのに・・・・・。遺伝子の力恐るべし。きっとこれはかぴぱら氏のY遺伝子だけに乗っている形質なんだろう、だから娘にはでていないんだ・・・と自分に言い聞かせる。

知っているということと、できるということは同じではないのだと思う。
逆もまた言えるかもしれない。できるからと言って、そのことを本当に知っていると言えるだろうか?

知っていると言いながらできないこともある。できても、その本質がわかっていないこともある。

かぴぱら氏と父に似すぎた息子を観察していると、人間の不思議を感じてしまうのであります。





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