管理人の徒然
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大国魂神社のしだれ桜 昼と夜 府中の森の桜 「?」って・・・・
久しぶりに大学時代の友人から連絡があって、府中で花見&江戸絵画展を楽しんできました。
いろいろ忙しい友人と会えるのは年に数えるほど。でも、学生時代の友人って不思議。会った瞬間に学生時代に戻ったみたいにすぐにおしゃべりできてしまうんですよね。
自分の知らない世界を教えてくれる友人って、すごく有り難い存在です。お昼に府中本町駅に集合して大国魂神社に参拝、ランチをゆっくり食べて、市内の桜並木をそぞろ歩き、府中の森の美術館までおしゃべりしながらお散歩しました。
個性派ぞろいの友人の中でも、飛びぬけてユニークで、美的センスがあって、さらに鋭い批評眼とずば抜けた行動力の持ち主である彼女は、会うたびに元気を与えてくれます。
府中市美術館で開催中の「江戸絵画の19世紀展」は展示作品の質としては飛びぬけてすごいものがあるわけではありませんが、切り口がなかなか面白いものでした。江戸後期に当たる寛政(1789年!!)から明治初期までの絵画のなかにみる、19世紀という技術発展期における絵画表現に使用された技術、新しい表現への試行錯誤などに焦点をあてていて、興味深かったです。
芸術的価値の高い作品を観賞するという展覧会もよいのですが、こういう作品と時代の結びつきやその時代に生きた人々が生み出したものとして作品を理解する展覧会もなかなか意義深いです。地方の美術館ならではの試みと言えるかもしれません。
特に今回の展示で興味深かったのは亜欧堂田善の銅版画です。帰宅して調べてみたら、亜欧堂田善の末裔に特撮で有名な円谷英二氏がいました。恐らく試行錯誤を重ねて銅版画技術をものにしただろう亜欧堂田善の子孫に、世界を唸らせた特撮技術を開拓した円谷氏がいると知ってびっくりしました。
亜欧堂田善が使ったという銅版画の道具も展示されていて、見入ってしまいました。明治以降あっという間に日本が西欧化・近代化できたのは、すでに江戸時代末期には独自に様々な技術が成熟し、生活を楽しむ高い文化が日本に存在していたという事なんですよね。
今年は「江戸」を取り上げた美術展が多い気がします。サントリー美術館でも江戸絵画の展覧会が始まっています。ヨーロッパの近代化が「産業革命」「市民革命」で始まったのだとしたら、日本の近代化は「江戸後期」に準備され、「明治維新」によって一気に進んだともいえましょう。
様々な意味で、「近代化」がもたらした矛盾が蓄積されて、行き詰まりを見せ始めた今日、もう一度「近代化とはなんだったのか?」を検証し、次の時代へ向けて何をするべきなのか、考えなければいけない時期なのかもしれません。
そういう意味で、17世紀~19世紀に渡る「江戸時代」をもう一度見直してみると言うのは意義深いことなのではないかと思います。
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